December 12, 2018 | Travel, Architecture, Design | window on the world
運河と鉄道が交差し、かつては物資流通の要所だったロンドンのキングスクロス地区。使われなくなった施設跡の大再開発が続くなか、旧石炭荷下ろし施設をリノベーションしたショッピングセンター〈コール・ドロップス・ヤード〉がオープンになった。
増改築を担当したのはトーマス・ヘザウィック。かつては貨物車が上に停車し、石炭を荷下ろしたレンガ造りの長細い高架施設。その2棟の屋根を互いにリボン状に波打たせ、中ほどで”キスする”ように接続させている。その下のせり出した部分は、床をケーブルで吊ったガラス張りのフロアになっている。
各アーチ下には飲食店やショップが大小50軒ほど入居。地元のスタートアップなど、ここにしかないユニークな店が多く誘致されている。石炭を燃料とした蒸気機関の発明に始まった産業革命の発祥地イギリス。その遺構を再利用し、歴史を未来につなぐプロジェクトとしても注目したい。