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新連載:デザインみやげ #02 アイノ・アアルトの《リーヒティエ プラントポット》

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September 25, 2017 | Design, Architecture | casabrutus.com | photo_Naoki Seo styling_Yumi Nakata text & editor_Wakako Miyake

有機的なフォルムが美しいプランターは、フィンランドの巨匠建築家、アルヴァ・アアルトの自邸に置かれていたもの。デザインしたのは妻のアイノ・アアルト。植物を入れるだけでなく、様々な用途に使える、イマジネーションを刺激するプロダクトだ。手土産を入れてのギフトにもどうぞ。

〈アルテック〉から発表された植木鉢《リーヒティエ プラントポット》。商品名のリーヒティエとは、二人が住んでいた家の通りの名前だ。白大/W40×D27×H20cm 17,300円、白中/W28×D23×H16cm 11,900円、青小/W19×D16×H12cm 7,900円

自然に着想を得た、シンプルで普遍的なデザイン。

アアルトといえば、夫のアルヴァ・アアルトが注目されがちだが、妻であったアイノ・アアルトも非常に才能豊かなデザイナーであった。食器ブランド〈イッタラ〉ではアイノ・アアルトグラスなど80年以上ロングセラーになっているガラス食器が作られ、アートとテクノロジーの融合をコンセプトとしたインテリアブランド〈アルテック〉からも、1939年に《615チェア》を発表している。二人の子どもの母、偉大な建築家の妻としてだけでなく、自らもデザイナーとしてフィンランドデザインを支えてきた彼女。実用性と簡潔さをプロダクトに求めた彼女の表現には、年月を重ねても色褪せることのない普遍性を感じることができる。そして今年、1937 年のパリ万国博覧会に展示され注目を集めたプランターが、80年の時を経て復刻。自然に対する尊敬が込められた有機的なフォルムは、北欧デザインの気取りのない清潔な美しさを高らかに伝える。

フィンランドの首都ヘルシンキ郊外の住宅街、ムンッキニエミのリーヒティエ通りに、アアルト夫妻が1936〜1990年まで住んだ家がある。中庭のある、こじんまりとした簡素な家は、二人のデザイン哲学の集成ともいえる。テラスにはアイノ・アアルトがこの家のためにデザインした大きな白い植木鉢がある。これは1937年のパリ万国博覧会でも展示されたが、当時は製品化にまでは至らなかった。それが、フィンランド独立100周年を迎えた2017年、素材を変えインテリアに取り入れやすいサイズで《リーヒティエ プラントポット》として製品化された。

カラーはアアルトの夏の家である「実験住宅」で使用されているセラミックのタイルの色がベース。家を囲む自然からモチーフを得たカーブはハンドメイドによって表現。プラントポットとしてだけでなく、大きなものはワインクーラーにも。また、小さいサイズのポットにキャンディを入れて手土産にしたりなど、アイデア次第で使い方の幅が広がる。

アルテック

TEL 03 6447 4981

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