May 18, 2025 | casabrutus.com | text_Megumi Yamashita editor_Keiko Kusano
新緑がまぶしい5月1日のロンドンの王立英国建築家協会(RIBA)。この日、妹島和世と西沢立衛の建築ユニットSANAAに、最高栄誉である建築賞、ロイヤル・ゴールドメダルが贈られた。

1848年に創設以来、錚々たる建築家が受賞者に名を連ねるロイヤル・ゴールドメダル。日本人としては、妹島の師である伊東豊雄の2006年の受賞以来、5組目の受賞になる。イギリスをはじめ、世界各地から駆けつけた関係者や所員が見守るなか、RIBAのプレジデント、ムイワ・オキより、メダルが贈られた。


ムイワ・オキは、妹島が総合ディレクターを務めた2010年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展のテーマである「People Meet in Architecture 」を引用し祝辞を送った。
「丹下健三(1965年受賞)に代表される戦後の日本の重厚な建築とは対象的に軽妙であり、ファンクショナリティとエレガンスを兼ね備えたSANAAの建築は、まさしく“人々が出会う場”だと感じます」


祝辞を受け、妹島も感謝の意を表した。
「歴代の名だたる建築家とともに受賞者に名を連ねることができ、大変光栄に感じています。私たちは30年にわたり新しいコミュニティのあり方、暮らしのあり方を人々と共に考えてきました。建築はチームワークであり、プロジェクトを可能にしてくれたクライアントをはじめ、携わった全てみなさんのハードワークに感謝いたします」

「ロイヤル」の名を冠したメダルは、後日、チャールズ国王から改めて授与される予定だ。チャールズ国王と言えば、皇太子時代から現代建築を痛烈に批判してきたことでも知られている。SANAAの建築をどのように評価しているのか、気になるところである。

授賞式では日本語の映像の字幕入り上演と、二人が交互に英語で語るレクチャーが行われた。上の階ではイワン・バーンによるSANAA作品の写真の展示もあり、王立英国建築家協会がSANAA一色に染まった1日となった。
