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玩具&ポップカルチャーにハマる美術館ホテル〈ナカノミュージアムホテル〉誕生!

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April 20, 2025 | a wall newspaper | photo_Satoshi Nagare text_Mari Matsubara editor_Kazumi Yamamoto

ぬいぐるみにフィギュア、ゲームに古着。マニア垂涎の品をぎっしり詰め込んだミュージアムホテルが清里にオープン。

アメリカのジーンズメーカー〈タフナット〉のPR用特大デニムや、70年代に製造されたカップヌードル小型自販機など、とオーナーの中野シロウさん。
中央は昭和40年代に作られた象のムーバー。
中野さんの作品、2010年にリニューアルした「日清チキンラーメン」のキャラクターひよこちゃん。

「チキンラーメン」のキャラクター「ひよこちゃん」の生みの親、デザイナーの中野シロウさんが、仕事の資料にと収集した約3万点ものコレクションを展示するミュージアムを2025年3月にオープンした。

1960年代のアメリカ製プラモデルや、昭和30~40年代に日本で製造された輸出向けのぬいぐるみ、ソフビ人形、ムービートイ、マクドナルドの店内ディスプレイや任天堂の販促グッズ、ヴィンテージのスカジャン……書ききれないほどのノンジャンルな収集物が、有孔ボードを張りめぐらせた展示室にぎっしり!

映画『ET』に登場したのと同年代・同型のオリジナル〈KUWAHARA〉製BMX。
ミュージアム入口通路には、日本、アメリカ、イギリスなどの様々な年代のビンテージものが飾られている。
ピーウィーハーマンの人形やマクドナルドのサインなども。

「ドライブで偶然立ち寄った山梨県北杜市清里の雰囲気が気に入って移住したのが4年前。牧草地が目の前に広がる元ペンションの建物をリノベして家族で住んでいました。家のすぐ隣の、20数年前に閉館し廃屋となっていた現代美術館の建物も買って改修し、自分のコレクションを飾ることにしたんです。棚を作って1個1個おもちゃを箱から出して並べて。やりきって満足したので、一般の方に見てもらうミュージアムにしようと思い立ちました。さらに、一つ一つの展示物を見ていくと何時間あっても足りないので泊まれるようにしたいと思い、自宅を改装して一棟貸しのホテルにし、渡り廊下でミュージアムとつなげました」

左は等身大ダースベイダー、中央はスターウォーズのピンボールゲーム〈SEGA Star Wars trilogy special seition〉は当時日本に正規輸入されなかったモデルで日本に3台現存するものの1台。右はストームトルーパー。
仮面ライダーの1stシリーズのソフビ怪人全種、飛べ孫悟空の子供用スカジャンなどのコーナー。
ミッキーの〈zoetrope.〉周年イベントで制作されたもの。

宿泊には3時間分のミュージアム貸切見学が付いている。展示品はアクリル板越しに眺められるし、ゲームはスタッフ立ち会いの下、実際に動かして遊ぶこともできる。マニアならずともあっという間に時間が過ぎていきそうだ。

「昔のおもちゃを見ながら、どういう仕掛けで動くのか、マーケティングはどんな戦略だったのか、惹きつけるパッケージとは、などと興味が尽きません。ここを拠点に、ポップカルチャーとデザインの力でかつて賑わった清里を再ブレークさせるべく奮闘中です」

清里の景色に馴染む、ホテル棟の外観。
巨大なレザーカウチでくつろげるリビング。
ベッドルームの1つ。

〈nakano museum HOTEL〉

山梨県北杜市高根町清里3545-3502。1日1組限定、1泊30万円〜(ミュージアム見学3時間含む)。入場のみ(土・日・祝限定)1時間2,000円。

中野シロウ

なかのしろう 横浜市生まれ。美術学校卒業後、玩具メーカーを経て現在はデザインチーム〈プレイセットプロダクツ〉代表。清里で廃屋を改修し古着屋やアンティーク家具店などを営みながら地域再生に取り組む。


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