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スタジオ・ムンバイが手がけた、建築と文化の温故知新を実現する修道院改修ホテル。

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February 1, 2025 | Design, Travel | window on the world

ニース旧市街の高台の修道院が10年かけてホテルとして再生し、話題を呼んでいる。

本館の静かなスイート「Le Chapitre」。スタジオ・フェスタンの内装、アトリエ・サン・ラザールのアートワークにより家具や絵画、彫刻が空間に馴染む。

オーナーが目指したのは、建物の歴史と生活文化の永続的な継承。単なる改修でなく、400年間育まれた場の叡智と意義を受け取り、未来に残す、現世の姿としてのホテルなのだ。

1604年が起源の修道院。旧市街の中心で半世紀以上閉ざされていた1万平米の敷地を蘇らせたのは、話題のホテルを次々手がけたオーナー、ヴァレリー・グレコ。
欧州各地で集めて各所に配したアンティーク家具ほか、ピカソやマティスも含む絵画や彫刻、オブジェは数千点。

17世紀築の修道院への建築的介入を託されたのは、スタジオ・ムンバイ。金属と木材の構造体、石灰と麻の注入剤により、建物の外観や配置を変えずに風通しよく、光あふれる修道院の秀逸な環境システムを再現した。250もの修道院を巡り研究を重ねた内装デザインとアートキュレーションは、オリジナルかのように見事に馴染む。

ローマの浴場跡が残るニースにちなみ、古代ローマをテーマにしたウェルネス空間の屋内プール。
地中海を望む屋外プールも。

修道女と同じ場所で焼くパン、庭園に植えた植物やハーブ、近隣のホテルの専用農場から毎朝届く生鮮食品は、週末に開く朝市で市民に供給。修道院が担い続けたニースの生活文化を次世代へと紡ぐ。

〈Hôtel du Couvent〉

1, rue Honoré-Ugo, 06300 Nice。公式サイト


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