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日々の暮らしがデザインスタジオ〈FRAMA〉のヒント|デンマーク【北欧各国、クリエイターの住まい】

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December 4, 2024 | Design | 北欧各国、クリエイターの住まい

北欧を拠点に活躍するクリエイターは、どんな部屋に暮らしているのか。インテリアデザイナーからブランドのファウンダー、ギャラリストまで、北欧各都市、今をときめくクリエイターたちの部屋を訪ね、ドキュメントしました。 今回は、ここ数年で最も著名な北欧発のインテリアレーベルとなった〈フラマ〉のクリエイティブディレクターのニルスさんの住まいを訪ねる。自身の暮らしそのものが創造性を喚起するという。

Area:コペンハーゲン
Size:125平米
Type:アパート

玄関入ってすぐのリビング。テーブルはスウ ェーデンの1930年代のヴィンテージで、デヴィッド・ローゼンがデザインしたもの。

ヴィンテージ家具好きの母親の影響で、幼い頃から北欧デザインに興味を持っていたニルスさん。デザインブランド〈フラマ〉を設立したのは2011年のこと。現在では家具からフレグランスまで扱うほど大きな存在に成長した。

ニルスさんの住まいは、コペンハーゲンの住宅地、ウスタブロの集合住宅の1階。素朴でピュアなフォルムをDNAとする〈フラマ〉のデザインに通じるインテリアだった。

「以前は時計店だったそうです。壁紙をはがしてグリーンの外壁用ペイントを施したらラフなニュアンスになりました」

外壁用のグリーンのペイントを一部に塗ったダイニング。椅子はフレデリック・グスタフの《45チェア》、テーブルは《ラブテーブル》で、フラマ・スタジオのデザイン。

家具は〈フラマ〉のプロダクトをメインに、アルヴァ・アアルトの《アームチェア45》、ボーエ・モーエンセンの《BM 61 Chair》などを組み合わせている。デザインに対する情熱のルーツは椅子とするニルスさんらしく〈トーネット〉のヴィンテージ、道で拾って座面を張り替えたパイプ椅子などが、バランスよく並んでいる。

様々な茶色がグラデーションを形成。

カーテンは〈デダール〉、ベッドリネンは〈テクラ〉と〈アイアユ〉。壁側に置いた木はディスプレイ棚として使う。
浴室では〈フラマ〉の薬用アイテムシリーズ《アポセカリー》を使っている。
サイドテーブルにもなる《AMLスツール》。
拾ったパイプ椅子は、座面を張り替え再利用。

「〈フラマ〉らしい表現についてよく考えますが、ヒントはコペンハーゲンで過ごす日々の生活にあります。例えば、アンティークショップのディスプレイ、街の近くにある自然豊かな風景など」

ニルスさんによると、ここで育った人々にとって、公共施設や家庭などで北欧家具はごく当たり前に生活に馴染んでいるもの。それをどうにか〈フラマ〉らしくアップデートさせたいという。

寝室。鏡の横には、セバスチャン・ロングの《ニッチテーブル》。
〈フラマ〉の《スタジオ・コレクション》から発表されているシステムキッチン。
浴室の壁面はグリーンの濃淡が陰影を生む。

「多くの優れたデンマーク家具が存在する中、オリジナルを作るのは難しい。パーソナルな要素を加えて個性とします。例えば、私は今、茶色の持つ様々な色合いに興味があります」

元店舗という間取りのため、道側の窓面は目隠しも兼ねる本棚にしている。

〈フラマ〉の次なるプロジェクトはサマーハウスやセミナー用の施設だというから、そこにどんなニルスさんのライフスタイルが反映されるのか楽しみだ。

ニルス・ストロイヤー・クリストファーセン

1982年生まれ。デザインブランド〈フラマ〉のクリエイティブディレクター。ブランドの設立は2011年。2013年に19世紀に建てられた元薬局に店舗を開業。以来、北欧で最も旬なブランドのひとつとして注目されている。


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