September 20, 2024 | Food, Architecture | a wall newspaper
韓国ソウル・ソンスのカフェ〈ボフミルコーヒー〉が東京に仮店舗をオープン。新しいカフェのあり方を探るべく、スキーマ建築計画のオフィスにパラサイトする形態や「モックアップカフェ」と呼ばれるこの実験的な場について、建築家の長坂常に聞きました。
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ソウル・ソンスの〈ボフミルコーヒー〉は、同じくソウルで人気を集める〈アントラサイトコーヒー〉の設立者の一人が立ち上げたコーヒーショップだ。入居する建物の建て替えに伴い、東京・千駄ヶ谷に仮店舗をオープンした。場所は建築家の長坂常が率いるスキーマ建築計画の一角だ。
建て替える建物を長坂が設計することからオーナーが頻繁に事務所を訪れており、その流れで出店が決まったという。長坂はこのカフェを「モックアップカフェ」と表現するが、モックアップとはどういう意味だろうか。
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「〈ボフミルコーヒー〉のオーナーは韓国のサードウェイブコーヒーを牽引してきた人物です。彼と話すうちに、都市開発で家賃が上がり、せっかく育てたカフェが撤退せざるを得ないことに悩んでいることがわかってきました。今回の依頼はただ設計するのではなく、そういった流れにのみ込まれないお店のあり方から一緒に考えてほしいということだと理解しました。僕らはここでサードウェイブの次のフォースウェイブのあり方を探ろうと思います」
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長坂はサードウェイブを牽引してきた〈ブルーボトルコーヒー〉の空間設計で知られ、カフェの新しいあり方を実践してきた建築家だ。今回は次なるあり方を運営とともに考えていこうという。ある意味で事務所内に原寸大の模型を作り、そこで皆がコーヒーも楽しもうという試みだ。
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「正直言って、僕らも答えがわかっていない。だから試行錯誤を繰り返し、少しずつ進もうという試みです。せっかくここにカフェがあるんだから、デスクトップでデザインを考えるのではなく、人の動きから家具やサインのあり方を考えたい。今度(ブルーボトルの創業者である)ジェームス・フリーマンが遊びに来てくれるそうです。そしたら皆でこれからのカフェのあり方を考えてみたいと思っているところです」
次なるカフェを生み出す手探りの検証を、実際に体験できるカフェ。その貴重な機会をぜひ現地で体験してほしい。
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