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〈été〉庄司夏子×フラワーアーティスト・東信の“食べられる&持ち帰られる”展示が開催!

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July 24, 2024 | Art, Design, Food | casabrutus.com

「アジアのベスト・レストラン50」の最優秀女性シェフ賞に輝いた庄司夏子が率いるレストラン〈été〉。その10周年を記念したスペシャルな展覧会が、2024年7月24〜25日〈カイカイキキギャラリー〉で開催。フラワーアーティスト・東信とのコラボレーションによって生まれた食と花のアートを展示するほか、2日目には展示された花を持ち帰ることができるスペシャルな企画も!

村上隆のアートのシンボルであるお花とコラボレーション。chef_Natsuko Shoji, flower design_Azuma Makoto, ©Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

名店〈フロリレージュ〉のスーシェフとして活躍し、2014年、自身の店〈été〉をオープンした庄司夏子。彼女の店はわずか10年の間に世界中の食通が来訪を切望するイノベーティブ・フュージョンレストランへと進化した。

〈été〉を一躍有名にした《フルール・ド・エテ マンゴータルト》はマンゴーをバラに見立てた美しいフルーツタルト。庄司の研ぎ澄まされた感性が凝縮されている。まるでジュエリーのようなキラキラとした輝きを放ちながら、国産フルーツの繊細な味わいと豊かな香り、素材本来が持つ造形的な美しさを伝える。

〈été〉のシグネチャーであるタルトケーキ《フルール・ド・エテ マンゴー》。chef_Natsuko Shoji, flower design_Azuma Makoto

この芸術的なタルトが生まれた背景を聞くと、「アートやファッションからインスパイアを受けている」と庄司。それを象徴するように、2020年に村上隆とコラボしたタルトケーキを発表。そのほかグラフィックアーティスト・VERDY、ファッションブランド〈TOMO KOIZUMI〉、藤原ヒロシの〈fragment design〉などとタッグを組み、個性豊かな《フルール・ド・エテ》で話題を振りまいてきた。

10周年を祝う今回の展示は、庄司が尊敬するフラワーアーティストの東信と彼が率いる「JARDINS des FLEURS」チームを迎えて、11種類の作品を制作。《フルール・ド・エテ》がそのまま大きくなったような黒いボックスの中に本物のフルーツタルトが並び、その周りを花や植物がドラマティックに取り囲む。

日本を代表するイノベーティブ・フュージョンレストラン〈été〉を作り上げた庄司夏子。

「東さんが生み出す花の作品は独特の艶かしさがあり、花や植物の新たな魅力に気付かされます。私も同じように食材に向き合いながら、新たな可能性を探究し、喜びや感動を与えるものづくりを続けてきました。東さんの手にかかると、フルーツタルトが一見食べ物とは思えないような不思議な魅力が宿りました」

1日目は「食べられる展示」と題して、マンゴータルトや季節のフルーツなどを摘んで味わうインスタレーションを開催。事前予約制で、残念ながら現在は全ての枠が埋まっているが、2日目は予約なしでも来場が可能。さらに15時以降はインスタレーションで使用した花を来場者にプレゼントするという嬉しい試みも。これは食材や花といった自然の命を預かり、表現をする庄司と東の姿勢を表したものとも言える。

〈京都市京セラ美術館〉で開催中の『村上隆 もののけ 京都』展に合わせて制作された、チェリー(桜)モチーフのお花飴細工が乗った栗のタルト。chef_Natsuko Shoji, flower design_Azuma Makoto, ©Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

「食べ物と花、それぞれの命はとても儚いものですが、無駄にせず一番いい状態で鑑賞者に楽しんでいたただいきたい。そのため、実際に食べられたり、花を自宅に持ち帰っていただくことで、新たな鑑賞体験を提供したいと思いました」

ジャンルを超え、さまざまなクリエイターとタッグを組みながら、食の可能性を広げてきた庄司。今展は彼女のクリエイティビティに迫る内容であると同時に、表現活動で欠かせない食材をつくる生産者たちへのリスペクトを込めているという。

「生産者の方々がいないと私の仕事は成り立ちません。海外でイベントをすることも多いですが、その度に日本の食材の繊細さと奥行きに改めて感動します。ただ、国内の農業や畜産業は高齢化や後継者不足が進み、過酷な労働環境、激しい価格競争などさまざまな問題が山積している。自分の活動を通して、もっと日本の食材の価値を高め、生産者が正当に評価される世界を作りたい。今後も信頼する生産者を支え、恩を返せる取り組みを続けられたら」

10周年という節目を迎え、更なるエネルギーに溢れる庄司。彼女のパワーに共鳴する生産者やクリエイターとの絆によって育まれた〈été〉の現在地をこの場所で体感してほしい。

壁面に展示された写真は、東の作品を撮り続ける椎木俊介が担当。

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しょうじ なつこ

1989年、東京都生まれ。駒場学園高等学校 食物調理科を卒業。24歳のときにスイーツ専門店として〈été〉を開業。翌年、スイーツ店を併設したレストランに。2020年、アジアのベストレストラン50「アジアのベスト・パティシエ賞」、2022年、同「アジアの最優秀女性シェフ賞」受賞。

『été 10th Anniversary Exhibition』

〈カイカイキキギャラリー〉 東京都港区元麻布2-3-30 元麻布クレストビルB1F。2024年7月24日、25日。11時〜19時。

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