May 25, 2024 | Art, Design | casabrutus.com
東京・東銀座のライフスタイルショップ〈FEELSEEN(フィールシーン)〉では、4階ギャラリーでの個展と同時に、1階から3階まで各フロアに数点ずつ約20点もの〈しゃぼんランプ®〉を展示販売(抽選申込〜5月26日)する『The lamp-JACK! 』を開催。ビル全体で大人気の〈しゃぼんランプ®〉が楽しめます。
オカベマキコは岡山を拠点に活動するガラス作家。代表作〈しゃぼんランプ®〉は展示会でのみ販売され、あまりの人気のため抽選販売になるほど。毎年、個展を開催するライフスタイルショップ〈FEELSEEN〉の2周年を記念して、ギャラリーでの個展に加えて、ショップの3フロアで空間に合わせた作品を展示する。
「フロアごとに世界観が異なる空間に合わせた〈しゃぼんランプ®〉を展示しています。色に個性があるので、それに負けないような組み合わせを考えました」(オカベマキコ)
オープン時にディレクターから提案された「このビルJACKしちゃってよ」から構想2年。空間に合わせて〈しゃぼんランプ®〉を展示する『The lamp-JACK!』はオカベさんにとって初の試みだ。代表作〈しゃぼんランプ®〉は、複数のガラス玉を組み合わせた照明だ。ガラス玉は手吹きでひとつひとつ丁寧に作られている。
「2015年頃、クリスマスのオーナメント用に作っていたガラス玉を泡に、コードをストローに見立てて組み合わせたのが始まりでした。その時々の気分で、様々なガラス玉を吹きため、床一面に玉だらけになったところで一気にランプに組み立てていきます」
自身の吹きガラス用の窯を持たず、限られた時間でできるだけ多くの作品を製作するために、ガラス玉の照明がピッタリだった。ガラス玉1つはコップくらいの重量があるので、家庭で使うことを考えると大きさやバランスが自然と決まってくる。器具も含め、特に安全性には気を使っているという。
「陶芸などと違い、ガラスは直接手を触れずに製作する面白さがあります。素材としても熱を加えれば形が変化してしまう流動体。私の一番好きな形に留めただけという部分もガラスの魅力です」
オカベマキコの作品はその技術だけでなく、デザイン性でも高く評価されている。それがわかるのが、アクセサリーなどの小さな造形だ。これらは吹きガラスとは異なり、ガスバーナーを使う手法で、古いビーズやシャンデリアなどからアイディアを得ているものも多い。リングの台や金具もすべて真鍮のオリジナルで、よく見ると刻印があるのがわかる。また今回、「モチベーションをあげるためのもの」という古来の製法で復刻させたまち針は必見。パッケージもオリジナルのデザインである。
4階のギャラリーでの個展は春と秋、半年ごとに開催される。定番を中心に、約30点のランプが展示されている。次回の個展開催は2024年10月の予定なので、お楽しみに。
「〈しゃぼんランプ®〉は窓辺など、自然の光の中で見てもらいたいと思って作っています。1日の始まりは、まずはあかりをつけずに、ガラスの色や風合いを楽しんでもらいたいです」
〈しゃぼんランプ®〉はオブジェのようであり、アートのような存在感もある。あかりを灯すと白く光り、その印象が変わってくる。特に色やテクスチャーが豊富な今回の作品群は、その魅力がさらに際立ってくるのだ。