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現代アーティスト・フランシス真悟が、国内初となる大規模個展を開催。〈茅ヶ崎市美術館〉が唯一無二の色彩空間に。

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March 27, 2024 | Art, Design, Travel | casabrutus.com

優れた色彩で人々を魅了し、世界的に高い評価を受ける現代アーティスト・フランシス真悟。その国内初となる大規模個展『Exploring Color and Space-色と空間を冒険する』が、神奈川の〈茅ヶ崎市美術館〉で開催される。

《Liminal Shifts》 2023 Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès © Nacása & Partners Inc.

絵画という形式を実験的に扱い、色と空間を冒険するように作品を制作してきた現代アーティスト・フランシス真悟。その国内初となる大規模個展『Exploring Color and Space-色と空間を冒険する』が、神奈川の〈茅ヶ崎市美術館〉で開催される。

絵画によって何ができるのかを自身に問う姿勢のもと、何層にもおよぶ色の重なりや、色と色の微細な組み合わせによって制作された絵画は、まるで人の心を映し出す鏡のように鑑賞者に多くを投げかける。

《Bound for Eternity (red)》 2008 Photo by Photo Studio Nishiyama Courtesy of GALERIE PARIS

フランシス真悟は、米国サンタモニカで生まれ、3歳から12歳までを日本で過ごした。父はアメリカの抽象表現主義の巨匠サム・フランシス、母はメディアアーティストの出光真子。幼少期より色彩がもつ豊かさに触れて育ち、ライト&スペース・アートのジェームズ・タレルや抽象表現主義のジョアン・ミッチェルとの出会いからも大きな影響を受けた。

現在は、鎌倉とロサンゼルスを拠点に国内外の多数の個展やグループ展に参加。その静かで深い広がりをもつ新しいペインティングで、世界的に注目を集めている。

《First Impression in Square》 2019 Photo by Keizo Kioku Courtesy of MISA SHIN GALLERY

初期には、深みのあるブルーやモノクロームの抽象画を発表。横長のキャンバスに通った帯から色彩が広がっていく《Bands Light Space》シリーズや、天井から吊るされた半円形の支持体に1本の水平線を描く《Bound for Eternity》、また近年は、見る角度によって変化し虹のような色が立ち現れる《Interference》を手がけ、一貫して絵画における空間の広がりや精神性を探求している。

《Interference》シリーズでは、顔料に含まれる無数の粒子に光が干渉し、観る角度や光の反射により様々に表情を変え、うつろう色彩空間へと人々を誘う。

《Blue's Silence (still)》 2007 Photo by Photo Studio Nishiyama

また、哲学的な思想のもと青一色で塗りこめた画面により瞑想的な空間を創り出す《Blue’s Silence》シリーズ。二次元の絵画の中に多次元な世界をイメージさせる《Infinite Space》シリーズ。ロサンゼルスでのコロナ禍の閉塞的な状況に抗うかのような思いで描いた、鮮やかな色彩による日記ともいえる《Daily Drawing》シリーズ。人々を包みこむドローイング・インスタレーション《Bound for Eternity》シリーズなど、1980年代の初期からの多様な絵画作品、約100点が一堂に会する貴重な機会となる。

さらに、本展のために同館の自然光が差し込む展示空間を活かした新作約10点を今回新たに発表。

フランシス真悟が生み出す、唯一無二の絵画空間をぜひ湘南で体感したい。

『Exploring Color and Space-色と空間を冒険する』

〈茅ヶ崎市美術館 エントランスホール、展示室1・2・3〉神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1-4-45 TEL 0467 88 1177。2024年3月30日〜2024年6月9日。10時〜17時(入館〜16時30分)。月曜休館(ただし4月29日、5月6日は開館)、4月30日、5月7日。一般800円ほか。

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