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未来に向けて元通りに改装! 国際大学都市のオランダ館|Paris

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January 15, 2017 | Architecture, Travel | Window On The World | photo_Antoine Meyssonnier, Franck Fokerman text_Chiyo Sagae

世界の学生や研究者のための学生寮が建ち並ぶパリのシテ・ユニヴェルシテール(国際大学都市)。各国の建築文化をちりばめ、コルビュジエら有名建築家が手がけた建物群は、パリの建築散策の名所だ。

広々とした学生たちの共有スペース。2つの中庭と天窓の多用など、重厚な外観のイメージとは裏腹に、建物内部に自然光を取り入れるために考え抜かれた全体の設計が内部の各所に自然光を招く。
中でも、今年修復を終えたオランダ館が話題を呼んでいる。なぜなら、1920〜30年代のオランダが誇る建築家ウィレム=マリヌス・デュドックによる元建築に限りなく忠実な再現を目指す修復だったから。1938年の完成後、老朽建築に施されたこれまでの改修による塩化ビニールの建具は、元の金属に。学生の部屋や公共空間に配された量産家具も、完成当時の家具を修復して取り替えた。

第1次世界大戦後、国や文化の異なる世界の若者が会し、交流することが戦争や紛争のない未来につながるとつくられた国際大学都市。第2次大戦との狭間の時代に満ちていた「未来への希望」の建築を現代に再現した意義への評価も高い。
簡素だが無駄のない什器を備えた個室。現在は134〜141人の宿泊が可能に。
移動にも便利な開かれた階段空間。
今回の改修でより広く、分別ゴミ空間を設けた共同キッチン。
塔、直角に交差する棟など、デュドック建築の特徴を持つオランダ館。

〈Collège Nèerlandais〉

La Citè Internationale Universitaire de Paris, 61, Bd. Jourdan 75014 Paris
公式サイト

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