January 18, 2024 | Architecture | a wall newspaper
日本女子大が新設する建築学部の招聘教授に妹島和世らが就任。坂 茂や西沢立衛など、名建築家が教える注目の大学を案内します。
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近年、各大学の建築学部の教授に、世界的に活躍する建築家が相次いで就任。また新設の学部も誕生するなど、今あらためて注目したい建築学部。教授陣に着目しながら、キャンパスを巡ってみよう。
■ 日本女子大学
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女性で初めて日本建築学会賞を受賞した林雅子やプリツカー賞に輝いた妹島和世、同大学の学長を務める篠原聡子など、多くの建築家を輩出してきた日本女子大学の家政学部住居学科。2024年4月から同学科が独立し、建築デザイン学部が新設されることになった。そして、その特別招聘教授に、東利恵、隈研吾、妹島和世の3人の建築家が就任。活動の形式や頻度などは未定だが、3人それぞれの方法で、この新たな学部を通して学生と関わっていく予定という。目白キャンパスには2021年に、妹島が設計した建物がグランドオープン。また妹島と同じく東も同学科の卒業生であり、この新たな学舎から東や妹島に続く建築家の輩出が期待されている。
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日本女子大学
今年4月から家政学部住居学科が建築デザイン学部に。キャンパスには〈百二十年館〉や〈杏彩館〉、図書館など妹島が設計した建物が散在し、見学も受け付けている。公式サイト■ 芝浦工業大学
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2017年から工学部の建築学科と建築工学科、デザイン工学部の一部が統合され、建築学部建築学科に生まれ変わったのが、芝浦工業大学。そこに2023年4月から特別招聘教授に就任したのが坂 茂だ。世界中の被災地で紙管を使った復興建築を手がけていることでも知られている坂は、トルコ・シリア地震支援プロジェクトのプロトタイプ建設と強度実験を同大で実施。さらに能登地方地震やハワイ・マウイ島山火事への復興支援も学生とともに行った。教授就任に先駆けて、豊洲キャンパス内にあるカフェとレストランも設計を手がけている。また同学科では西沢大良、原田真宏、猪熊純などの建築家たちが常任の教員として、それぞれ研究室を持ち指導にあたっている。
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芝浦工業大学
2027年に創立100周年を迎える。建築学部があるのはベイエリアの豊洲キャンパス。学部の入る本部棟は日建設計が設計を担い2022年に竣工した。公式サイト■ 横浜国立大学
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建築家が建築家を育てるという教育を、率先して進めているのが横浜国立大学。2017年の学部再編により、文系と理系が融合した都市科学部に建築学科が収まっているが、これに先駆けて2007年に、大学院に建築都市スクールY-GSAを開校。ここではプロフェッサーアーキテクトがそれぞれに少人数制のスタジオを持ち、学生は半期ごとにスタジオ間を移りながら自主的にプロジェクトに取り組んでいる。現在の教員には西沢立衛、乾久美子、大西麻貴、藤原徹平の4人が名を連ね、学部の授業も受け持っている。
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〈横浜国立大学〉
建築学科があるのは横浜市保土ケ谷区の常磐台キャンパス。右の写真は学部棟でY-GSAは同キャンパスの別の建物に入る。西沢立衛と藤原徹平は同校の卒業生でもある。公式サイト第一線で活躍する建築家が教鞭を執る各大学の建築学部。一般向けの講演が行われることもあるかもしれないので、今後の新たな動向にも注目してみたい。