January 16, 2024 | Architecture, Design | a wall newspaper
コロナ禍を経て賑わいが戻った街に、満を持して開業した〈東京エディション銀座〉の設計コンセプトを聞きました。
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華やかなショップが建ち並ぶ銀座は、中央通りの脇に交わる路地に、ところどころ個人商店が残る下町風情の街でもある。
「3年前の〈東京エディション虎ノ門〉では高層階の空に溶け込むような、明るい色合いを表現しました。今回はストリートに建つ14階建ての建築。銀座を自分の街のように思っていた父が、私を連れ回った場所でもあります」と話すのは、〈エディション〉を率いるホテリエ、イアン・シュレーガーと連携して設計を担当した隈研吾だ。
「銀座は新旧が交わる織物のような場所。そこで内外観の随所に、経糸と緯糸の格子柄を配しました。ファサードの意匠や2階〈Punch Room〉の天井格子で、江戸文化の “粋” を感じてもらいたい」
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内装に隈が銀座の色合いとして採用したのがウォールナット材。
「銀座の老舗の店舗兼住宅に招かれたような、親密さがあります」
シュレーガーとの2度目のプロジェクトはどうだったろうか。
「イアンはNYのディスコ〈スタジオ54〉やブティックホテル〈モーガンズ〉以来、絶えず革命を起こしてきて、リラックスできる〈エディション〉に至っています。今回の銀座では、海外のゲストも新鮮に感じられるように、和風にも古典主義にも傾かないデザインを心がけました」
その最たる例が、1階エントランスを入ってすぐの〈Lobby Bar〉。NYダウンタウンのホテルバーのように、街に開かれている。
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「人々に親しまれる銀座の路地の、延長線上にデザインしました」と、隈。
〈エディション〉のアイコニックなホワイトメタルの階段が、ウォールナットの壁面空間に浮かぶ吹き抜け空間は、パブリックに開かれており、昼夜のカフェ利用やバー利用にも供される。
「ここに宿泊して得られる醍醐味は、銀座の通りに直結しているので、街全体をホテルとして使えること。これまで日本にはなかったタイプの都市型ホテルだと思います」
同様の空間はすべての客室に及ぶが、白眉は2階のバー〈Punch Room〉。英国のプライベートクラブを模した空間に和の要素をちりばめ、宿泊客以外もふらりと利用できる。
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一方、14階のレストラン〈Sophie at EDITION〉は、軽やかな白木を基調としたインテリアのモダンブラッスリー。
「東京の路地に開かれたここでは日常が体験できると思います」
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