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【今週の花と器】フランネルフラワーと〈リサ・ラーソン〉の《ワードローブ》|11月

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November 27, 2023 | Design | casabrutus.com

11月4週目の担当は、渋谷区西原の花屋〈フォレジャー〉店主のチーコさん。動物をモチーフとした陶芸作品で広く知られる、スウェーデンのセラミックアーティスト、リサ・ラーソン。彼女が手がける洋服をかたどった花器に活けた小花のブーケは、爽やかな北欧の森で摘んできたような佇まい。優しい雰囲気と左右対称のかたちが持つ安定感に対し、フランネルフラワーで流れるようなフォルムを描きました。

「フランネルフラワー」という名前を聞いてぱっと思い浮かぶのが、フランネルシャツ。その花びらの質感はもふもふと起毛した冬らしい生地に似ています。優しげで可愛らしいお花なのですが、花びらの先がとんがっているからなのか甘さは控えめでナチュラルな雰囲気。冬のくっきりと澄んだ空気や日差しにフィットします。

今回の器はリサ・ラーソンによるもの。ユーモラスな佇まいに ”らしさ” を感じますね。北欧のデザインということにヒントをもらって、スウェーデンの爽やかな草原が思い浮かぶ小花のブーケにしました。フランネルフラワーの長さを変えて傾斜をつけ、セーターのかたちをした左右対称な器に、ゆるやかな流れを生み出してみました。原っぱで摘んできたお花を、ぱっと活けたようなイメージです。

フランネルフラワーを引き立てるのが黄色のタンジー。ぱっと開いたような花とは対照的に、つぶつぶとして、よく見ると頭はくぼんだかたちになっています。くすみ感のある淡いグリーンの器と白い花に馴染みつつ、差し色になってくれています。素朴なムードのものを組み合わせるときは、花の色や形にコントラストを作ったり、ブーケ全体のフォルムに流れを作ってあげると野暮ったくならず、いいバランスになると思いますね。

●今週の花:フランネルフラワー

花びらや茎に密生した細かな毛により、フランネル生地に似るフランネルフラワー。可愛げのあるフォルムでありながらもうっすらと緑がかった白の花とシルバーグリーンの葉には清廉さを感じる。

●今週の器:〈リサ・ラーソン〉の《ワードローブ》

リサ・ラーソンによる洋服のかたちをした花器のシリーズ《ワードローブ》。1990年代から作られ、ドレスやベスト、スカートなど、さまざまな種類とカラーがある。花をアクセサリーのように見立てて季節ごとのコーディネートを楽しむのはもちろん、花材を活けずともオブジェとしての存在感がある。〈リサ・ラーソン〉の《ワードローブ》 右《セーター》W15.5cm×D5.5cm×H13.5cm 7,150円、左《コート》W12cm×D7cm×H24.5cm 7,150円(ディエチ TEL 06 6882 7828)

チーコ|ちーこ

季節の光と花の作用にフォーカスした花屋として渋谷区西原で〈Forager〉を運営。ささやかだけれど魅力的な花々を中心に、ジェンダーフリーな花の景色を提案している。都内のカフェやショップへの生け込み、ポップアップイベントでの生花の販売や、撮影用のスタイリングなど幅広く活動している。

〈Forager|フォレジャー〉

東京都渋谷区西原2丁目26-5 パールマンション101。*最新の開店スケジュールはインスタグラム@forager_nishihara_tokyoでチェック。

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