October 11, 2023 | Art | a wall newspaper
LAに日本のカルチャーを発信するギャラリーが誕生。オープニングは花井祐介と西海岸のスターによる3人展。
「昨年の6月に下見に来たとき、大きいギャラリーとは聞いていたんですが、予想以上にでかくて、ボクの作品だけで埋まるかなって感じでした(笑)」
ロサンゼルス・ダウンタウンにオープンした〈T&Y GALLERY〉は日本のカルチャーをアメリカで発信するというテーマでスタート。そのオープニングを任されたのが日本のストリートアートのアイコン、花井祐介だ。そもそもは個展の予定だったが、その巨大さゆえ、レジェンドでサーフアートのオリジネーター、ハービー・フレッチャーを誘ったところ、アーティストのバリー・マッギーも加わり、西海岸のストリートカルチャーが結集した3人展『SHAPESHIFTER』へとスケールアップ。
「ハービーさんはサーファーなら誰でも知っている神様みたいな人だし、バリーはアートアイコン。僕がサンフランシスコに住んでいた頃、街中に彼のグラフィティがたくさんあって、それを見つけては写真を撮っていたという大ファン。その2人がストリートカルチャーのお膝元のここで(集まるという)、なんだかものすごい展開になっていったんですよね」
オープニング用に描き下ろした花井の新作11点に加えて、2人の作品、そして超レアなトリプルワークスも披露する。
「サーファーの3人がそろったんだから、サーフボードに絵でも描こうか的な西海岸ノリで始まって、エントランスに飾った絵は僕が左側のキャラクターを描いて、あとは2人が好き勝手に埋めた、僕には制御不能な作品(笑)。そしてハービーさんのビーチハウスを模した小屋も3人の共作です」
花井の11点の新作は彼のシグネチャーとも言える、人々の日常の場面を切り取った《オーディナリー・ピープル》の作品群。
「特別なテーマは用意していません。切り取ったものに物語性を感じてほしいですし、自由に面白がってもらいたいので、ボクの作品にはタイトルもないんです。自由を楽しんでもらいたいので」
LAの新しいギャラリーには、西海岸の奔放さが溢れていた。