September 22, 2023 | Culture, Design, Food | casabrutus.com
〈eatrip〉を主宰する料理人の野村友里さんと、〈The Little shop of Flowers〉主宰の壱岐ゆかりさん。東京・原宿の同じ敷地に店を構え、20年来の友人でもある2人が、表参道の〈GYRE GALLERY〉で2年ぶりの展覧会を開催。今回のテーマは、前回の「衣・食植」の続編となる「食植・住」。期間は2023年10月29日まで。

東京・原宿の同じ敷地に店を構え、レストラン〈eatrip〉と 花屋〈the little shop of flowers〉を主宰する野村友里さんと壱岐ゆかりさん。“食物と植物”という命あるものを扱う2人の探求は、あらゆる生物の循環をもたらす土へと向かっていく。
“食物と植物”という仕事が、生き物の循環の一部となれるような、今の時代なりの方法を考え続けること。その活動の想いが、タイトルの「Life is beautiful」に込められている。

前回の「食と植」から、衣へと思考をめぐらせた「衣・食植」展 から 2 年。新型コロナウィルスによるパンデミック、気候変動とめまぐるしく変化する環境の中で、2人は本当に安心できる「住=居場所」はどこにあるのだろうという問いと向き合ってきた。
2度目となる今回の展覧会のテーマは、前回の「衣・食植」の続編となる「食植・住」。
日本各地の伝統や人に出会う旅をインスピレーションの源とする2人が、本展制作のために向かったのは愛媛と兵庫、京都、栃木。日本の伝統の稲作から食と住を再発見するためだ。

旅の中で、稲藁を使って稲作の道具作りをする職人や茅葺き職人の相良育弥さんに出会い、かつての日本では、食べるための米と、住むための稲を、同時に育てていたということを知る。今回の展示では、はるか昔から私たちの食となり家となって命を守ってきた稲作に焦点を当て、“食”と“植”の稲作を再発見するとともに、過去を想像し、未来を探究する場となっている。

『Life is beautiful : 衣・食植・住 “植物が命をまもる家となり、命をつなぐ食となる” 』
〈GYRE GALLERY〉東京都渋谷区神宮前 5-10-1 GYRE 3F。~2023年10月29日。11時~20時。
野村友里
のむら・ゆり eatrip主宰/料理人。長年おもてなし教室を開いていた母の影響で料理の道へ。 ケータリングフードの演出や料理教室、雑誌での連載やラジオ出演などに留まらず、レシピ開発、イベント企画、映画やテレビ番組の料理監修など、食の可能性を多岐に渡って表現している。2012年に〈restaurant eatrip〉(原宿)を、2019年11月に〈eatrip soil〉(表参道)をオープン。 生産者、野生、旬を尊重し、料理を通じて食のもつ力、豊かさ、美味しさを伝えられたら、と活動を続ける。また、2021 年より全国の日本食を巡る旅アニメーション“TOFUKOZO 豆腐小僧” を主宰。最新の著書に『とびきりおいしい おうちごはん - 小学生からのたのしい料理』(小学館クリエイティブ)2023年7月刊行。
壱岐ゆかり
いき・ゆかり 花屋・THE LITTLE SHOP OF FLOWERS主宰。インテリア業とPR業を経て、花の持つ色の豊かさに魅せられ、2010年〈The Little Shop of Flowers〉/リトルをスタート(現原宿)。2019年に〈The Little Bar of Flowers〉(渋谷)をオープン。装花、WS、スタイリングなど、人の気持ちを花に“翻訳”する花屋として活動しながら、廃棄花を染料にし、花の持つ色素と効能を、暮らしのギフトに落とし込む提案も始動。植物や花の活力を信じ、人生の様々な場面でそっと寄り添える存在になれたらと、日々奮闘中。